早稲田大学Vtuber研究会ブログ

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バーチャルYouTuber・Vtuber・バーチャルライバーという呼び方

 バーチャルYouTuberVtuberバーチャルライバーなど、Vの者の呼称はたくさんありますね。それらはだいたい同じ物を指しているのですが、少しニュアンスが異なっていて、インターネットで言及するには厳密な区別が必要です。

 そこで、バーチャルYouTuberVtuberバーチャルライバーという言葉について、一度考えておきたいと思います。

 

バーチャルYouTuber

バーチャルYouTuberとは主にYouTube上で動画等の配信活動を行う架空のキャラクター群を指すのに用いられる呼称である。

(ニコニコ大百科 - バーチャルYouTuber)

 バーチャルYouTuberは、この文化の火付け役であるキズナアイが使い始め、現在一般的にVの者を指すのに使われている言葉です。だいぶ一般社会に溶け込んできたYouTuberという存在のバーチャル版のような存在であることが、単語を聞いただけで何となく分かり、長くて言いにくいことを抜きにすれば最もわかりやすい呼称ですね。しかし、Vの者全体を指し示すには多少の問題があります。

 バーチャルYouTuberとは、名前に忠実に考えるとYouTubeで活動する架空のキャラクターたちのことですが、SHOWROOMOPENRECで活動するキャラクターも増え、最近ではBilibiliにも進出して、YouTubeというプラットフォームにこだわることなく活動しています。また、ニコニコ動画において人気を獲得したり動画を投稿したりするキャラクターも多いですね。そのようなVの者をYouTuberという呼び方をするのは適切ではないかもしれません。

 さらに、YouTuberとはYouTube上で「やってみた」等を投稿するHIKAKINやSEIKIN、はじめしゃちょー等に代表される動画投稿者ですが、バーチャルYouTuberは単なる従来のYouTuberのバーチャル版とは言い切れない独自の進化を遂げています。

 

 したがって、バーチャルYouTuber」という呼称は彼らの一面しか表せていないところがあります。

 

Vtuber / VTuber

 バーチャルYouTuberは略してVtuber」と表記されます。「Vtuber」という呼称は短くて打ちやすいのはもちろんですが、YouTubeというプラットフォームを強調せずに済むため、YouTubeに縛られないVの者も含めた、広範なVの全体を指すことができます

 「Vtuber」のほかに「VTuber」という表記もありますが、これはYouTubeのTが大文字であることに由来するので、プラットフォームがYouTubeに依存しないことを強調する立場からは「Vtuber」という表記のほうが適しているでしょう。

 ただしこの呼称の問題として、Vtuberを知らない人が呼称だけを見聞きしてもどんな概念なのか理解することが厳しいということが挙げられます。知識もないのにいきなり「ブイチューバー」と言われても知らない楽器とか機械の名前にしか聞こえないかもしれません。

 

バーチャルライバー

 また、彼らの中には生放送メインで活動していることから、自身をバーチャルライバーと呼んでいるキャラクターもいます。たとえばにじさんじはその典型で、多くのキャラクターが頻繁に生放送を行い、膨大なコンテンツを提供することを可能にしています。

 Vの者は全体として生放送が多いのが特徴ですが、一方で動画投稿を主軸として活動しているキャラクターも多数いるため、Vの者=バーチャルライバーと言うことは難しいかもしれません。

 

バーチャルタレント

 他のと比べると知名度は低いのですが、バーチャルタレントという呼称もあります。たしかに人気を得て様々なメディアやイベントに出演する様子はタレントといえます。ただし、タレント的な活動をするキャラクターもいる一方で、動画主体のアーティストのようなキャラクターもいます。後者をバーチャルタレントに含めることは難しいです。つまり、Vtuberであってもバーチャルタレントではない人がいるといえます。

 また例えば、バーチャル小林幸子さんやAbemaTVで放送していた『にじさんじのくじじゅうじ』に出演していたタイムマシーン3号の二人はバーチャルに受肉した芸能人なのですからバーチャルタレントと呼べますが、Vtuberと言うには抵抗があります。バーチャルタレントであってもVtuberではない人がいるということになります。

 

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Vの各呼称のベン図

 

まとめ

 このように、いろいろな立場から呼称について検討してみました。それぞれの名前が指す対象が微妙に異なりつつも重なっていて、場面に適した名称を用いるのが適切なようです。

 このブログでは基本的に「Vの者」の概念を指し示すのに、一番短く、一番「Vの者」の概念全体に合致し、我が早稲田大学Vtuber研究会の名前にもなっているVtuberという呼称を使いたいと思います。

 

Vtuber研究会の名前はそこまで考えて名前をつけたわけではないと思います。